「香淳皇后と激動の昭和」


久しくここの更新をサボってました!(汗)
いやぁー公私共にいろいろありまして、パソコンの前に座ってもメールを確認するのがやっと…という日が続いておりましたが、なんとかやっと一段落でございます^^;




習っている書道の会の展覧会に「今度こそは何か出品しろ」と先生から言われたものの、それを心静かに制作する暇もなく・・・だったのですが、既に時遅し、今さら辞退することもできず、「えぇーいっ、もぉーどうにでもなれ!」…という開き直りのヤッツケ仕事。筆に墨を含ませるなり、だだだぁぁーと書いたところ、それが今回はたまたま吉と出たのかどうなのか?、先生には「勢いのある良い作品ね〜」などと誉めていただき、ホッと胸なでおろし・・・たのも束の間、今度は職場である問題が発生し、しばらくそれに翻弄されました。
登校拒否が常態化している息子のこともありますし、考えることも、やらなきゃいけないことも多過ぎる毎日なんですけども、「一つ一つ片付けていくしかない」と腹をくくるしかありませんよね。




そうした毎日の通勤の行き帰りに読んだ本は、なぜかとても私を勇気づけてくれるものでした。


香淳皇后と激動の昭和 (中公文庫)』 工藤美代子著


2000年に単行本として出版され、先月9月に文庫本として再登場、新刊発売されたものです。




これを読んでいると、激動の時代を、昭和天皇と共に、皇后という特別な立場で生き抜かれた皇太后さま、香淳皇后のご生涯に、胸をぐっと突かれ、感動することしきりでした。
あのおっとりとした優しい笑顔の向こうに、これだけの苦しみを抱えてお過ごしだったのか…と、非常に客観的で冷静な筆者の文章から改めて知ることも多く、現在の皇室が抱えている諸問題の発端にふれる部分もありましたし、しかしそうした中で、皇后さまが一人の女性として実に気高く御自分を律しておられたことに、何よりも驚きました。


まず香淳皇后が、まだ久邇宮家の良子女王と呼ばれていた頃、皇太子との婚約も決まり公に発表され、お妃教育も何年も受けていながら、当時の薩長の確執による政治的駆け引きの中で、危うく破談にされる危機に直面された件などは、これまでも何冊かの本で読んではきましたが、本当にどんなにか若い姫君の心を傷つけたことだろうか…と、こちらまで涙ぐんでしまうほどです。
このことがモトになるわだかまりから、大正天皇の后であり皇太子の実母である貞明皇后と、長きに渡ってうまくいかず、いわゆる嫁姑関係がこじれてしまうのですが、これにしても、間にいろいろな人やしきたりの壁があったがゆえのご不幸のように感じます。
お子様が生まれても、お手元で育てることもかなわず、まだ幼いうちから引き離される寂しさに耐えねばならず、そればかりか、内親王の御出産が続き、しばらく親王をお産みにならなかったことから、周囲から強く側室を勧められる…など、それは寂しくお辛かったことと思うのです。


香淳皇后と激動の昭和 (中公文庫)ただ本当に素晴らしいのは、どんな困難が立ちはだかろうとも、昭和天皇の愛情が誠意にあふれ、どこまでも皇后さまに寄り添っていらしたことです。
ここまで細やかな夫婦愛で長年結ばれたカップルは、世間を探しても、そうそう見つかるものではないでしょう。




戦争では5月の東京大空襲で、ついに皇居の宮殿すらも全焼。
そして、敗戦。




自ら面会に訪れ、「全責任は私にある」と仰った天皇陛下に、深い感銘を受けたマッカーサーの話は有名ですが、宮殿消失後も疎開されることなく皇居内防空壕に留まり、毎日ご自分の手で外地から引き上げてきた人々のために「何か着るものを」と休みなく縫い物をされていた皇后さまのエピソードにも、ご夫婦のお心は常に「国民のために私達はある」というところで一致していらしたのだと思います。
こうした昭和天皇香淳皇后の姿勢は、今の天皇皇后両陛下にもそのまま受け継がれていると思いますし、それをこれまで維持されてきたお気持ちの強さや、それに伴うご苦労はいかばかりだったろうかと思います。




天皇制なんかいらないよ」と軽く言ってのける人々は論外ですが、皇室の献身をあたかも「当たり前」のことのように考えて、無神経に不自由を強い、人間として当然与えられるべき個人の領域も侵害する宮内庁やマスコミ、中途半端に右掛かった人々に、私は言いたいです。


天皇家の皆様の、これまでの血のにじむような御努力に、少なくとももっと感謝しませんか?・・・と。
実態とかけ離れたところで憎悪したり排除したりしようとするのではなく、また逆に、自分の都合に合わせて過剰に崇拝するのでもなく、ごく自然に人として敬意を払い、感謝すべきなのではないでしょうか。






ところで・・・・全然関係ありませんが、そもそも私は平安王朝文学のファンなのであります!
(といっても「原文」で読めるわけではありませんが・・)
ただただ源氏物語枕草子なんかの世界観が好きなわけですが、あの時代の姫君のように美しいお手で手紙が書きたいという野望もあり、書道を習い始めたわけですが、そこそこ形の真似はできるようになっても、なかなか難しいものですよね^^
やはり長い歴史が育んだ文化芸術の奥は、どこまでも深いものでございますゎ・・
こうした文化の伝承者とだけ定義付けたとしたって、皇室は実に貴重、実に稀有な存在でいらっしゃいますよ〜〜
ましてやそれだけではないのですから、やはり千代に八千代に続いていってもらいたいではありませんか!
(私としては「男系」にこだわるのは納得いかんけれどもネ!)