「エラソー」な人、part2


私の周辺にいる「エラソーなオヤジ」の筆頭であるT氏は、まったく本当に爆笑するほど、いつもいつも「エラソー」で、大根役者が演じる「陰謀企む国家老」とか「悪代官」とか「悪徳大商人」にそっくりなんですよね・・・


そのT氏・・・
新規の飲み屋やバーなどに何回か行くと、必ず、そこのママさんや女のコに向かって、こう言うんですよ。


「そろそろ、ボクの身分を明かしちゃおうかな〜」・・・って。


そして、もの凄く勿体つけて、胸ポケットから自分の名刺を取り出し、嬉しそうに配るんですよね・・・
すると、そういうお店の女性というのはたいしたもので、さすがは接客のプロというか、「わぁ〜こんなに偉い方だったんですか〜!」とか何とか言ってくれるわけです。


しかし・・・あ〜なんて恥ずかしいんだろ・・・


「身分を明かしちゃおうかな〜」って、「アンタ〜、水戸黄門じゃありませんからぁ〜〜〜残念っ!!!」
ついでに、「アンタ〜〜有○川宮の御落胤でもありませんからぁ〜〜〜!!!」
(まだそう言ってる方がウケるよ!)




とにかく、このT氏にとっては、自分の「肩書き」が、イコール「自分」みたいです。
「肩書き」の書いてある名刺こそが、自分を証ししてくれるもの…
「この紋所が目に入らぬかぁ〜」の「印籠」なんです。


・・・思いっきりの「幻想」・・・。


「幻想」を「永遠の現実」だと思い込んでいる、あるいは思い込もうとする、その無駄なエネルギーが、「エラソー」という現象になる・・・。
ふむふむ・・・やっぱり「エラソー」って、大根役者の「無駄に力の入った演技」と共通する、「リアリティーのない上滑りなもの」なんだ…ってことなんでしょうね〜


たぶんT氏は、定年したらしたで、「昔の肩書きはこうだった」とか言って一生を過ごすんだろうなぁ・・・


   (文責:ゆう)