テポドンよりジャクチューよ!


今日は、なんだかやたらに長い一日でした。


私にとっての一日が始まったのは、午前4時前。
なぜそんな早起きをしたかと言うと、サッカー・ワールドカップの準決勝、「イタリア対ドイツ戦」が見たかったからです。
結果は、大接戦の末にイタリアが勝利し、決勝へと駒を進めたわけですが、この試合を観戦中、飛び込んできたのが、「北朝鮮ミサイル発射」のニュースでした…。


「えぇ〜」と驚いていたら、あれまぁ〜次から次へと撃つゎ撃つゎ。


お蔭で朝のニュースはテポドン一色。


毎日のお楽しみNHK朝ドラ『純情きらり』も放送がお休みになり、さっき予約録画を再生したら、北朝鮮の兵士が行進してたり(まるでラインダンスだね)、安倍さんが難しい顔で質疑応答していたりで、宮崎あおいちゃんの可愛い顔も、西島秀俊さまのステキなお姿も、まるっきり拝めず・・・でありました。




職場に行っても、人々の話題はテポドンに始まりテポドンで終わる感じでしたが、午後から自由時間が得られたので、昨日から開催されている『プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展』を観ようと、上野の東京国立博物館に向かいました。




・・・で、この展覧会が素晴らしかった!


私は以前から伊藤若冲(じゃくちゅう)は大好きなんですが、今回出品された作品では特に、水墨画の鳥獣花木と花鳥人物、そして鶴の図のそれぞれ6曲1双の屏風が、そりゃもぉ目が醒めるようにみごとでした。
いやーとにかくお洒落!
センスが抜群に良い!
しかも楽しい!


そうなんです、若冲の絵って、ホントに楽しいんです。
何よりも本人が一番楽しんで描いてたんでしょうけれど、それがダイレクトに伝わって、観てるこっちも気分が高揚してきます。


若冲は、18世紀京都の裕福な問屋の長男として生まれ、本来ならそこを継いで「経営者」になるべきところ、子供の頃から「絵にしか興味もなければ才能もない」という変わり者だったようで(今ならさしずめ「アスペ」の診断がつくんだろうなぁ〜)、ほとんど独学で自己の才能を開花させ、ついには家督を弟に譲って、心ゆくまで描きまくる人生を送った人です。
ですから、どの絵を見ても、自由で個性的で勢いがあって、とにかくユニーク。


アメリカ人コレクターのプライスさんは、「作家の名前で作品を買ったことは一度もない」そうですが、そういうピュアな視点で購入し、深い愛情と敬意をもって作品に接する彼と、若冲の絵が出会ったことには、やはり特別な縁があるのでしょうね。
オーラの泉」風に語るならば、「プライスさんの前世は江戸時代の日本人」かもしれないっ! それどころか、「プライスさんの守護霊は若冲だ!」なーんちゃって〜(あっはっは) 




若冲作品のほか、今回私が「ほぉ〜」と溜め息をついて見とれたのは、酒井抱一の「十二か月花鳥図」でした。


酒井抱一も、そもそも播州姫路藩主の次男で、はじめは「お坊ちゃまの趣味」で描いていた絵が、その卓越した才能から本業になった人ですが、やっぱり生まれ育ちの良さは如実に出ると言いますか、この方の絵って、とにかく上品で綺麗で繊細です。
でも同時に、おおらかさ、のびやかさもあるんですよね。
今回は、ひたすら美しい「十二か月花鳥図」のほかに、ユーモラスな人物像の展示もあって、抱一の別の一面を見たような気もしました。




・・・で、くまなく丁寧に観ていたら、いつのまにやら3時間半が経過…。


この3時間半の間に、テポドンの「テ」の字も忘れ去り、実に幸せな気分になって帰宅。
そしてなにげなくTVをつけたら、あっららぁ〜〜またもや忘れかけてた「ラインダンスする兵隊さんたちの大行進」が画面を横切ってるではありませんかぁ・・・


んもぉ〜
バカで美意識のない国って、ほんとに最悪・・