女性は悩みが多いのか?



私のところに、後輩の女性が、相談にやってきました。


以前私は、彼女に、ある知り合いの男性を紹介しようとしたことがあったのですが、当時彼女は結婚を前提に付き合っている恋人がいて、「折角ですが…」と断られました。
彼女は、非常に美しい人で、しかも抜群の知性を誇り、性格も申し分のない、限りなく理想的なパーソナリティーを持った人なので、「やっぱり付き合っている人がいるのは当然よね〜」と思ったものでした。


その彼女が、今度は自分から、「誰かいい人はいませんかね〜」と言ってきたのですよ・・・
なんでも、恋人と別れたそうで、どういう経緯があったのかは知りませんが、相当に元気がありません。
「名前が悪いのかもしれないから、改名しようかなぁ〜なんて思ってるんですよ…」とか、「なんだか最近は、精神世界系のモノににすがりたくなっちゃってる自分がいて、これはヤバイな…な〜んて思ってるんですよね…」などと言います。


はじめにも書きましたが、彼女は、大変知性の高い女性です。
仕事はなんでもテキパキ無駄なく見事にやってのけるし、かといってギスギスしたところがなく、誰にでも優しい対応ができる、全体にとても余裕を感じる人です。
そんな優秀な彼女でも、恋人と別れたくらいのことで、ここまで落ち込んでしまうのか・・・と、私はちょっと驚きましたが、でも、わかります! そう、落ち込むんですよね… 
こういうのは、頭がいいとか悪いとか、そんなのは関係ないんです!
どんなに知性があろうが、「女性」を取り巻くさまざまな社会通念から、女性は自由になれないところがけっこうあって、そこから悩みの悪循環にどっぷり浸かっていくことは、私にも経験があるだけに、とてもよくわかります。


女性を取り巻く社会通念・・・
これは、当の女性が自分で自分に課している場合も多くて、だからこそ本当に困ったもんなんですが・・・代表的なところでは、下記のようなものに、強く「縛り」を感じます。

    • 女性は遅くとも35歳までには結婚しないとだめだ
    • 家庭と仕事はしっかり両立させないとだめだ
    • 結婚したら子供を産まないとだめだ
    • 子供を産んだら優れた子に育てないとだめだ
    • 親はきちんと自宅で介護しないとだめだ
    • 親戚づきあいはキチンとこなさないとだめだ

    などなどなど・・・


これらのことは、圧倒的に女性が潜在的に持っている「〜であるべき」という考えの一部です。
そして、これが現実に「出来ない」または「出来なさそうだ」となってきたときに、私たちは、自分で自分を責めがちです。
こういう感覚は、男性には果たしてあるのでしょうか?
もちろん、ある方もいらっしゃるでしょうが、存在する割合は、どう考えても女性に比べて低いのではないでしょうか?
なにしろ男性は、いくつで結婚しようが実子が持てますし、家庭と仕事の両立なんて必死で考えている男性に、私はあまり出くわしたことがありません。
また、子育てで悩んでいる父親というのも、もちろん少数いらっしゃいますが、実際は母親の方が何倍も負担が大きく、苦悩もそれだけ大きいです。
これは「親の介護」や「親戚との付き合い」についても同じでしょう。


女性の悩みというのは、実際とても微細で多岐に渡っていて、しかも複合的で、とにかくシンプルでないことだけは確かです。


    (文責:ゆう)