シルバーバーチは何者か?


シルバーバーチは、地上で生きていた頃、いったいどんな人物だったのか・・・


このことは、やはり私も「気にならない」と言えば嘘になります。
いったいどこの国で、どんな階級に属し、どんな仕事をし、どんな人生を送った人だったのか・・・という興味は、持つなと言われても持ってしまいます。
事実シルバーバーチは、その交霊会で何度もそのことについて質問をされていますから、誰でも思うことはおなじなんでしょうね。
…が、結局、最後までその返答はありませんでした。



「私が誰であるかということが、いったい何の意味があるのでしょう。私がどの程度の霊であるかは、私のやっていることで判断していただきたい。私の言葉が、私の誠意が、私の判断が、要するにあなたがた人間世界における私の仕事が、暗闇に迷える人々の心の灯となったら、それだけで私はしあわせなのです。」(『シルバーバーチの霊訓』第5巻14頁より)
「私は別に私には個性がないと言っているわけではありません。私にもちゃんと個性はあります。ただ、こちらの世界では“協調”ということが大原則なのです。」(同15頁より)


シルバーバーチが地上時代にどんな人間だったのか、何者だったのか、という興味は、それ自体がとても「この世の基準に基づいた考え」だ、ということなのかもしれません。


「もしシルバーバーチが、非の打ち所のない人生を送った人だったなら崇拝する」・・・という考えにしても、「もしシルバーバーチが、しょーもないオッサンだったとしたら、その方がかえって親近感を覚える」・・・という発想にしても、どちらも、結局はこの世に生きる我々の感覚を軸にした位置づけであって、シルバーバーチが目指している本来の目的からは大きくずれてしまうのでしょう。
シルバーバーチ自身、「私はマウスピースに過ぎない」と何度も何度も繰り返していますし、彼が伝えたかったのは、彼自身の「個性」「考え」や「主張」などではなく、ただ純粋な「真理」だけなんだと思います。


私は、その姿勢(あえて「無理な姿勢」と呼びたいくらいの姿勢)を、地上の人間に対して貫いたシルバーバーチが、とても好きです。


    (文責:ゆう)