子供が親を選んで生まれてくる


ついに2004年も今日で終わりです。 
そう、大晦日・・・


そんなわけなので、少し真面目に、私個人のこの一年を振り返ってみたいと思います。


昨年まで、私は「スピリチュアリズム」だの「霊的真理」には、さして興味がありませんでした。 
子供の頃からさんざん関わってきたキリスト教の知識も充分ありましたし、「どうせ宗教なんてみな似たようなものなんだろう」…と思っていたからです。


しかし、今年の春先あたりから急に関心が強まり、夫のスピリチュアリズム関連の蔵書を片っ端から読み漁るようになりました。 
そしていつの間にか、夫が「積読」していた本も全部読破してしまい、知識の量だけなら、もしかすると彼を抜いてしまった感じです(^^;) ・・・まぁ、それが人格や日々の言動に反映されない点が、なんとも残念ではあるわけですが・・・(苦笑)


さて、そうして読みまくったスピリチュアリズムの本が伝えてくれたことがらの中で、最も私の心を打ったこと・・・それは、「子供が親を選んで生まれてくる」…ということでした。
 子供が親を選んで生まれてくる!
「そうか・・・そうなのか・・・」と思いましたし、今も、何かというと、「そうか・・・そうなんだよね・・・」と自問自答する私です。


私は、世間的に見ればもの凄く恵まれた家庭環境の下に生まれ育ちました。 
誰が見ても親は「金持ち」だし、「社会的な地位」もあるし。


でも、子供の頃から、ずっと親との(特に母親との)葛藤が絶えず、精神的には毎日飢えたような状態で過ごしてきました。 
親との関わりがうまくいかない子供の常で、なかなか他人が素直に信じられないものですから、表面的には社交的で明るく振舞っていようが、実はいつも非常に孤独でした。


そんな私にも、結婚して子供が生まれました。
うちの子には、ほんの小さい頃からいささか普通ではない行動様式があり、今は定期的に情緒障害児童の教室に通っています。 
知能的には非常に高い子で、大人も顔負けの記憶力(ただし自分が興味のあることだけ)や論理的理解力を持っていますが、どうも「感情」の面に問題があって、こちらがどんなに涙を流しながら「悲しい」と伝えても、そこに理屈が通っていない限りまったく分かってくれなかったり、自分以外の人の「楽しいね〜」にてんで共感できなかったり、まぁいろいろあります。


おかげで、今までいろんなことを周囲から言われてきました。
「親の育て方に問題がある」「愛情をちゃんと掛けていないんじゃないの?」「母親(私)が忙しく仕事しているのがいけない」「親も本当は変な人なんじゃない?」という陰口・・・ 「子供を見れば、親が100%分かるっていいますからね〜 子供は親の鏡ですよ!」
もうウンザリだと思いました。
私は私なりに、必死になって子供と関わっていますし、「愛情がない」などと言われると、それだけで涙が留めなくあふれるほど、子供を愛しているつもりでした。 
だというのに、「アナタこそ、私に全然愛情を注いでくれなかったじゃない!」と言いたい、その実家の母までが、私の子育てに「愛情がない」などと口出ししてきます。


さまざまな医療機関や相談機関をまわり、うちの子の状態が、「親の育て方が悪かったから」ではなく、生まれ持った「自閉症スペクトラム」の特徴によると判明した時に、カウンセラーさんから、「お母さんのせいじゃないですよ。お母さんは、充分にお子さんを大事にされてますよ。」と声をかけられ、わけもわからず泣きました。


そんなこんなの中、スピリチュアリズムに出会いました。
始めに読んだ江原啓之さんの本にも、「子供は親を選んで生まれてくる」とありました。 その後、『シルバーバーチの霊訓』や、ありとあらゆる霊的真理を述べた本に、同じことが書かれてました。


このことは、私に大きく二つのことを自覚させました。
一つは、私自身が、あの親を選んで生まれてきたのだ・・・という事実。
もう一つは、うちの子が、私たちを親に選んで生まれてきたのだ・・・という事実です。


人はこの世に、「愛」を知るため、「愛」を学ぶために生まれてくるのだと思います。 そして、そのための、最初の、そしてもっとも重要な人間関係の場が、親子です。
私は、はじめ子供として、あの両親から、確かに多くを学びました。 
そして今は親として、子供から多くを学んでいます。 
逆を言えば、私の両親は子の私を育て今も関わる中で、彼らの学びがあるのでしょうし、うちの子も然りです。


そう思ったら、親も子供も、この世を共に旅する本当に大切な仲間なんだと思えてきて、自分が「愛されなかった」ことの不満も、「愛がない」と言われた屈辱や悲しさも、バカバカしくどこかへ消えていきました。 
親には自然と感謝する気持ちがわいてきましたし、うちの子に対しては、「私を選んで生まれてきてくれたんだ・・・」という、やはり感謝で胸がいっぱいになりました。 
もちろん、全てが解決したわけではなく、やはり人間ですから、日々いろいろ頭にきたりします。 でも、そういう自分に言い聞かせる言葉が、今の私にはあるんです。



 子供が親を選んで生まれてくる!


そうなんですよ・・・ホント。 ありがたいことに。



ではみなさま、どうぞ良いお年を o(*^▽^*)o


        (文責:ゆう)