子供の虐待に思う


私・・・子供を虐待してしまう親の気持ちが、少し分かります。


もちろん、子供の虐待を肯定などしません。
それは許されないことです。
でも、それをしてしまう親の気持ちは、痛いくらい分かるんです。




もしかすると、虐待される子供の中には、相当数の発達障害の子供が含まれているのではないでしょうか?
特にアスペルガー症候群のような「情緒障害」を持つ子供は、親の神経を逆なでする傾向が強いので、非常に虐待されやすいと思います。
またこうした子供は、その障害が診断されていないことも多く、親も単なる「わがまま」だとしか判断できず、それを矯正しようとするあまり、結果、激しい暴力に至ってしまうケースもあるでしょう。


私のように、子供はしっかり「診断」されていて、月に一回の小児心療内科への通院もし、情緒障害児の教室に通い、充分な知識があっても、それでも時々我が子に腹が立って仕方なくなるのです。
しかも、私は一応霊的真理を学び、スピリチュアリズムの書籍を愛読し、「人はどういう目的をもってこの地上で生きているのか」を日々考察しているわけですが、でも、そうした理性をあっけなく呑み込んでしまう怒りに支配されることがあるんです。


うちの子の場合は、私がどんなにシリアスな表情で、不快感をいっぱいに、心の底から叱っても、いつも「ヘラヘラした笑い顔」なんです。
どうも、その「笑い顔」を本人は止めることができないようで、これは実際は自閉症スペクトラムの子によくある精神的緊張の顕れでもあるんですが、それを知っていても尚、「なに笑ってるのよっ!」と怒りが湧き上がってくるんですから、始末が悪いんです。
もし彼の障害を知らずにいたら、私だって、その「ヘラヘラ笑顔」を「反省が見られない」という理由で激昂して叩くかもしれませんし、ことによったら、もっと酷い暴力をふるっているかもしれません。
そういう可能性が自分にはない・・・とは言い切れない怖さがあります。




自閉症スペクトラムに引っかかる子供は、特に男の子では、100人中3〜4人はいるとも言われています。
これはかなりの割合ですよね・・・


しかし、学校の多くの教員は、自閉症、殊に高機能自閉症について、わずかな知識すら持っていない場合が多いのです。
悲しいことに、これが現実です。


医療関係者にしても、大学病院の小児科の医者や看護師ですら、心療内科が専門でない限り、ちゃんとした知識を持っている人は稀です。
アスペルガー症候群」というだけで、まるで犯罪者予備軍のように言った某小児科呼吸器専門の教授のことを、私はきっと忘れることはないでしょう。
よくもまあ、いい加減な知識で言ってくれたもんだと思います。


「知らない」ということは、とにかく人を傷つけるものですね・・・
我が子に虐待を加える親の多くは、この「知らない」が多過ぎる人たちなんだと思います。


もし子供に情緒障害があるなら、親がそれを「知らない」ことは、すなわちその子の「不幸」だと言っても言い過ぎではないでしょう。
情緒障害がない子への虐待に関しては、親の生に対する「基本的な無知」が原因の全てかもしれません。


・・・ふぅ〜
「知らない」ということは、本当になんと悲しいことでしょうか・・・
「知って」いても、人間はこんなに弱いというのに・・・


   (文責:ゆう)